不定期更新を

九月いっぱいまで伸ばします! 今必死こいて中編書いてるので許してください!
お詫びに今まで書いたもののお蔵入りした短文を無作為に晒します(何故?)

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●雨の日の朝
 次の日の朝、イオニアはざああああ、という砂利の流れるような音で目を覚ました。またカルメが何か妙な魔法を使っているのかとも思ったが、その疑惑は窓の外を見やると同時にきれいさっぱりと消えてなくなる。
「うわ、雨だ……」
 いつから降り始めたのか、窓の外ではバケツをひっくり返したような大雨が降っている。大きな雨粒が窓へ叩きつけられ、一年間掃除していなかった窓が綺麗に洗い流されていった。
「これはこれで、カル兄が喜びそうだな」
 彼は昨日の夕食の席を思い出した。確かカルメはこっちにいるうちに家の大掃除をするといっていたはずだ。なんでも一年に一回はこの生家に戻って、家の隅々まで綺麗に手入れをしているらしい。確かに言われてみれば、この家は数年間誰も住んでいない家にしては清潔に保たれている。

●甘いもの
甘いものに覆われた甘いもの、そして甘く味付けされた甘いもの。怒涛の勢いで襲い掛かる甘みの塊をぺろりと平らげた。

●コミュ障カルメ
「いやあ、今日は少しシフトの時間が遅かったので昨夜に夜更かしをしてしまって」
「僕も昨日の夜は寝るのが遅かったんですよ。奇遇ですね」
 流石にそれを奇遇というのは射程が広すぎやしないだろうか、とイオニアは微妙にズレた世間話を展開させる従兄に無言で呆れる。

●明日はヒマかな
 明日は土の曜日、明後日は日の曜日。その次は月の曜日。明日と明後日は休日だから、丸二日分自由に使える時間がある……と言いたいところだが、残念ながら俺は明日の昼もここの購買でバイトである。しかも毎週末には従兄の探偵所へ泊まり込みで働くことになっているので、実質的な自由時間はそう多くはないかもしれない。まあ、実際に忙しいかどうかは明日以降に依頼が持ち込まれるかどうかにかかっている。もし一つも仕事がなければ、俺は悠々自適に来週の授業の予習へ精を出すことができるだろう。