ファンタジー世界の利点と欠点

表題の通りです。『ローシャ探偵所』の世界は近世~近代に片足突っ込みかけてるヨーロッパ風の魔法ファンタジー世界なのですが、ベースがRPG……有り体に言ってしまえばドラクエのような勇者と魔物の世界なので、どうしても私達が住んでいる世界と比べて人の死が身近になってしまうんですよね。
例えばイオニアなんかは騎士見習いということで、きっと普段から危険な魔物の討伐とかで何度かやべーケガとかを負ってると思いますし、そもそもカルメの両親も暴走した魔物に命を奪われてました。

このような世界設定の場合、RPG風のアクションファンタジーを展開していくときは手っ取り早くピンチのシーンへ向かわせることが出来て楽なんですが……
このように現代社会と比べて殺伐としている世界の中で推理モノ、それも殺人事件絡みの問題を起こしたとしても、あまりインパクトがないんですよ……!!

勿論私の技術が不足しているのもありますが、それを抜きにしてもやっぱり「治安のあまりよろしくない、割と常に危険と隣り合わせとなっており、魔法の存在が身近な社会で起こった不可思議な殺人事件」よりも「治安の良い、危険の少ない現代社会で起こった不可思議な殺人事件」のほうがよっぽど興味を惹かれます、きっと。前者は(たぶん魔法でなんかやったんでしょ? まぁ人が亡くなることなんてそう珍しいことでもないし、きちんと弔ったら気持ちを切り替えて前を向こう。—完—)で終わっちゃいますもん。

……ということで、新しい短編の構想を練っている間、『カルメ達の周りで殺人事件が起こってもみんなあんまり動揺しないだろうから全然ドラマチックになりそうもない問題』に直面しておりました。

で。ここしばらくこの問題について考えていたんですが、「今ある世界に不満があるなら新しい世界を作ればいいじゃない」というコペルニクス的転回&アントワネット的発想を閃いたのでここにご報告します。
つまりどういうことかというと、「現代世界を舞台にした新シリーズを作ります!」ということです。2022年の目標はこの新シリーズの稼働開始です。がんばるぞ!

といってもローシャ探偵所を更新停止するわけではありません。
ファンタジー世界は確かに殺人事件の展開には向いていないですが、逆にミステリ用語でいう「日常の謎」を展開していくにはうってつけだと思うんですよね。なので人が死なない、冒険小説寄りの話は『ローシャ探偵所』で、人が死んじゃうようなミステリはまだ見ぬ新シリーズで、という風に書き分けをしていけたらなあ、とふよふよ考えています。

とにもかくにも、まずは先に今取り掛かっているローシャの方の書き溜め短編を完成させてからですね。リアルの方の忙しさと相談しつつ、無理しない範囲で早めに書き上げて新シリーズの構想も練っていきたいです。最早つぶやきとは言えない分量の文章に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

P.S
先週拍手を下さった方々、ありがとうございます!